研究課題

1)乳幼児期における睡眠問題の健康影響および決定要因の解明

私たちは、令和3年度より兵庫県内の市町の協力を得て、乳幼児健康診査の対象者を追跡するコホート研究を進めています。そして幼少期から子どもやその家族がしっかり睡眠を確保していくために望ましい生活習慣のあり方、地域でできる工夫のあり方を明らかにして、市内の健康増進施策に活かしていくことを目的としています。

2)児童・生徒への睡眠健康推進のための新しい睡眠教育パラダイムの構築

日本の子どもの睡眠時間は先進国の中でも最短レベルであり欧米と比べると小学生から高校生まで40分以上短いことが知られています。夜間の睡眠時間の短縮は睡眠不足や睡眠負債を蓄積させ、概日リズム変調の原因となるSocial jetlagを引き起こし、日中眠気やイライラ、学業成績の低下を招いてしまします。私たちは、子どもの睡眠不足を社会問題としてとらえ、その早期解消を目指し、現在、学際的な知見を融合して新しい睡眠教育パラダイムの構築に取り組んでいます。

3)学校教職員の心身健康推進のためのポピュレーション戦略の構築

教職員における業務量の増加や質の困難化が心身の健康状態を低下させ、毎年のように病気休職者や精神疾患者を数多く生み出しています。私たちは、この危機的状況を解決するため、学校教職員を対象としたコホート研究を立ち上げ、学術的観点から確実に効果が期待できるポピュレーション戦略を構築するための準備を開始しています。

外部獲得資金

    1)研究代表

  • (公財)医療科学研究所 2024年度研究助成 2024年11月~2026年3月
    子どもの概日リズム変調に対する個別最適な睡眠スケジュールに基づく睡眠教育の効果評価
  • 日本学術振興会科学研究費 基盤研究(B) 2024年4月~2027年3月
    AI搭載型睡眠アプリと睡眠リテラシー教育に基づく新しい睡眠教育プログラムの構築
  • (公財)ユニベール財団 2023年度研究助成 2023年11月~2025年3月
    児童生徒におけるSocial jetlagの疫学と抑うつ症状への影響ならびに軽減策としての新しい睡眠教育プログラムの検討
  • 『乳の学術連合』2023年度「牛乳乳製品健康科学」学術研究 2023年4月~2024年3月
    乳製品の摂取量や摂取時間帯、光曝露が生体リズムや睡眠の質、身体活動量の向上に与える影響に関する研究
  • 日本学術振興会科学研究費 挑戦的研究(萌芽) 2022年6月~2025年3月
    昼夜の光曝露が小児の睡眠問題・行動問題に及ぼす影響:前向きコホート研究
  • (公財)発達科学研究教育センター 令和3年度発達科学研究教育奨励賞 2021年9月~2022年11月
    小児期の光曝露が生体リズムと睡眠の質に及ぼす影響に関する研究
  • 日本学術振興会科学研究費 基盤研究(B) 2021年4月~2024年3月
    子どもの睡眠健康推進のための新しい睡眠教育パラダイムの構築と効果検証
  • (公財)神経研究所 睡眠健康推進機構 2020年度学術研究助成 2020年10月~2021年9月
    思春期生徒におけるSocial jetlagの縦断的な経過と心身健康への影響
  • 日本学術振興会科学研究費 若手研究 2018年4月~2022年3月
    市町と連携した子ども睡眠健康推進のためのポピュレーション戦略の構築と効果検証
  • 日本学術振興会科学研究費 若手研究(B) 2015年4月~2018年3月
    中学・高校生の夜型化、概日リズム変調に対する睡眠教育プログラムの開発と効果検証
  • 2)研究分担

  • 日本学術振興会科学研究費 基盤研究(B) 2023年4月~2027年3月
    睡眠改善の促進妨害要因の解析と集団特性に応じた新たな睡眠教育プログラムの構築
  • 日本学術振興会科学研究費 基盤研究(B) 2020年4月~2023年3月
    睡眠教育プログラムの教育現場における実証研究
  • (公財)神経研究所 睡眠健康推進機構 2019年度学術研究助成 2019年4月~2021年3月
    児童・思春期の子どもの睡眠健康をはぐくむ睡眠教育プログラムの構築と効果検証
  • 日本学術振興会科学研究費 基盤研究(B) 2016年4月~2018年3月
    睡眠教育パッケージの開発と教育現場における改善効果の検証
  • 日本学術振興会科学研究費 基盤研究(C) 2013年4月~2017年3月
    子どもの概日リズム変調・眠気の実態ならびに予防策としての集団認知行動療法の実践
  • 武田薬品工業株式会社 タケダ・リサーチサポート 2015年11月~2016年10月
    重度視覚障碍者の睡眠問題、特に概日リズム睡眠障害の実態と、そのうつ状態、QOL低下との関連性についての実態調査
  • 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 機能性を持つ農林水産物・食品開発プロジェクト 2013年4月~2016年3月
    抗酸化物質高含有食品による睡眠改善を介した抗メタボ効果検証と商品開発

広島大学大学院人間社会科学研究科

睡眠行動医学研究室

〒739-8524 広島県東広島市鏡山1-1-1 教育学研究科A棟A806研究室

Behavioral Sleep Medicine

Graduate School of Humanities and Social Sciences,
Hiroshima University

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